目次
耳抜き(圧平衡)のやり方
スクーバダイビングを楽しむ上で必須となる『耳抜き』
ダイビングをした事が無い方の中には、この『耳抜き』に高いハードルを感じてしまっている方も多いのでは無いでしょうか?
正直、耳抜きが「しやすい」「しにくい」は体質によるところが大きいですが、耳抜きは自体は誰にでもできます。
『耳抜きがしやすい人』とは鼓膜の奥にある耳管という管が広い人。逆に『耳抜きがしにくい人』は耳管が狭い人です。
私自身も右耳の耳管が狭い様で、右耳の耳抜きはしづらいです💦それでもインストラクターをやれていますw
耳抜き(厚平衡)の方法
耳抜きの方法としてよく用いられているのは以下の3つの方法です。
・バルサルバ法
鼻をつまんで鼻をかむ要領で、やさしく鼻に圧力をかける方法
・フレンツェル法
鼻をつまんで舌の奥を上に持ち上げることで、耳に圧力をかける方法
・トインビー法
鼻をつまんだままツバを飲み込んだり、アゴを動かしたりして圧力をかける方法
以上が耳抜きの方法として用いられる、代表的な手段です。
特に『バルサルバ法』と『トインビー法』はイメージもしやすくやりやすいのではないでしょうか?
Re:Orca(リ オルカ)では体験ダイビングのお客様に『バルサルバ法』と『トインビー法』をご案内させていただいております。
耳ぬき(厚平衡)が必要になる理由
ここからは耳の構造をもとに耳抜きについてお話していきます。
耳の構造がコチラ
色々な名称が出ていますが、大事なのは『鼓膜』と『鼓室(中耳)』です。
ダイビング中に耳が痛くなるのは、鼓膜の中の内側の空間、鼓室(中耳)内の空気が周囲圧によって縮小され、鼓膜が内側に引っ張られる事で耳に違和感を覚えますl。
違和感を放っておいて、さらに深度を下げると鼓膜が鼓室(中耳)の空間が圧縮され、鼓室(中耳)側に引っ張られる力が強くなり、耳が痛くなります。
『耳抜き』とは、この鼓室(中耳)に空気を送り込む事で、鼓膜が内側に引っ張られる力を鼓室(中耳)に空気を入れる事で抑える所作の事を言います。
イラストの右下にある『耳管』が鼻や口と繋がっている管になります。
冒頭でも言いましたが、この管が『広い』か『狭い』かで耳抜きのしやすさに関わってきます。
片方の耳だけが抜きづらい場合には、抜けない方の耳を上(水面)に向ける事で、若干耳は抜きやすくなります。
水中で空気は上へ上へと向かっていきます。よって、抜けない方の耳を水面に向ける事で、耳管を通って空気が鼓室(中耳)へと向かいやすくなる為です。
また、耳抜きが全くできない場合、水深を浅くする事で周囲圧が下がり、鼓室(中耳)側に鼓膜が引っ張られる力が弱くなります。そうする事で、耳管を通って鼓室(中耳)内に空気を送り込みやすくなり、耳抜きもしやすくなります。
耳介の裏側から首筋にかけてをマッサージする事でも、耳管の緊張が解け、耳抜きがしやすくなります。
過度の緊張や、寝不足、ダイビング前日の飲酒などでも耳管が縮小し、耳抜きがしにくくなります。
耳抜きに苦手意識がある方は、ダイビング前日はしっかりと睡眠をとりアルコールを控える事。また、当日はリラックスした状態で臨むことで耳抜きはしやすくなりますよ^^
耳抜き(圧平衡)のやり方 まとめ
耳抜きのポイント
- 『バルサルバ法』…鼻をつまんで鼻をかむ要領で、やさしく鼻に圧力をかける方法
- 『フレンツェル法』…鼻をつまんで舌の奥を上に持ち上げることで、耳に圧力をかける方法
- 『トインビー法』…鼻をつまんだままツバを飲み込んだり、アゴを動かしたりして圧力をかける方法
上記の3つの方法を実践する際に目を瞑ることでさらに耳抜きをしやすくなります。(涙腺から空気が抜けることがあるため)
オープンウォーターダイバーのライセンス講習時の耳の痛さは、約20年たった今でも覚えています・・・
そんな私がダイビングをする時に最も心掛けていることは、『耳が痛くなる前』に耳抜きをする。
簡単ですよね?w
そのほかに実践したのは、陸上にいる時からちょくちょく耳抜きを繰り返していました。(鼓膜にはあまりよくないかもしれません)
今では『オトヴェント』という耳抜きのトレーニングアイテムもあるので試してみるのも良いかもしれません。
耳抜きは耳の痛みを取る所作ではなく、耳を痛くしないための予防策。
という事を覚えておいてください^^